従来とはひと味違う映像作品を世に送り出しているライトニング。NTT Docomo、キュービー、パナソニックなどのCMやプロモーションビデオ、広告ビジュアルなどを制作する気鋭のプロダクション。映像とグラフィックの連動をめざしグラフィックデザイナー、カメラマンの作る映像、グラフィックもプロデュースする。
- Cintiq 21UX、Intuos3 PTZ-630
- 2004年〜
- もともと、Intuos3を導入していたが、映像の制作をさらに効率よく、さらにクォリティアップを図るために、クリエイターの作業環境の向上を目指した結果、たどり着いた答えがCintiq 21UXだった。
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従来とはひと味違う映像作品を世に送り出しているライトニング。 NTT Docomo、キュービー、パナソニックなどのCMやプロモーションビデオ、広告ビジュアルなどを制作する気鋭のプロダクション。
「グラフィックをやってきた人にこそ映像の世界に入ってほしい」と同社代表取締役の佐藤武司さんは言うように、グラフィックデザイナーやフォトグラファーが描く世界が、その映像やビジュアルの斬新さを特徴 づけている。 HDオンラインスタジオを併設する西麻布のオフィスに、同社CEO・プロデューサーの佐藤武司さんとモーションデザイナーの下山敦さんを訪ねてみた。
左:株式会社ライトニング CEO・プロデューサーの佐藤武司さん。時代の先を読み、新しい映像表現に挑み続ける。そのためには、最新の環境が必要と断言する。
右:モーションデザイナーの下山敦さん。グラフィック、映像編集、3DCG、ビジュアルエフェクトなど複数のアプリケーションを難なく使いこなす。 2007年5月よりフリーになった。
映像の制作や編集にペンタブレットは広く使われているが、ライトニングでは、Intuos3とともに2005年の発売当初から液晶ペンタブレットのCintiq21UXを導入している。それには、映像における独特の制作スタイルが理由にある。PCによるノンリニア編集では、PCの画面を映すモニタ以外に、実際の仕上がり映像を映し出す「マスターモニタ(略してマスモニ)」が必要である。その最大の理由は、テレビなどの映像とPCの映像を構成するピクセルの縦横の比率が異なることと、映像の信号が異なるため。
「テレビの場合、ピクセルの縦横比は0.9:1となり、映像の信号もYUVという規格。 PCの場合は、ピクセルの縦横比は1:1で、信号もRGBですから、最終的な映像を確認するには、やはりPCのモニタではなく、マスモニが必要になる。実際の映像編集では、マスモニとPCのモニタ、そしてペンタブレットなどの手元の3箇所を、グルグル見ながらの作業となります。そうすると、視点も意識も落ち着かないのです。それで、何かいい環境はないかと考えていたとき、ちょうどCintiq21UXが登場しました。作業する手元とPCのモニタが一体化していれば、意識の途切れを解消できるのではないかと思ったんですね。それで発売と同時に導入したのです」(佐藤さん)。
もともと、ライトニングではペンタブレットのIntuos3を導入していたが、映像の制作をさらに効率よく、さらにクォリティアップを図るために、クリエイターの作業環境の向上を目指した結果、たどり着いた答えがCintiq21UXだったというわけだ。
映像の編集や加工には、様々なものがあるが、マスク処理も多用される。マスクというと、グラフィックでの処理を連想するかもしれないが 映像でもよく行われる作業である。ただし、グラフィックと異なるのは、マスク処理をする枚数が極端に多いということ。テレビの映像なら、1秒あたり30フレーム(30枚)が必要である。 15秒のCMなら450フレーム、30秒のCMなら900フレームになるわけである。それだけのマスク処理を想像してみると、ちょっと気の遠くなるような、大変な作業だということがわかるであろう。
もちろん、グリーンバックで撮影した映像であれば「抜く」のは簡単だが、ライトニングでは、あえて手作業でマスクした映像に魅力も感じるとか。
下山さんの作業風景。これはミュージックビデオの編集でマスク処理を行っているところ。映像のマスク編集は、手元に映像 が映し出されるCintiq21UXが一番使いやすいとのこと。
「グリーンバックで撮った映像は手軽に抜くことはできるのですが、そうでない映像に文字やグラフィックや別の映像を乗せた方がおもしろい ことも多いんですね。そういう作品でCintiqを使ってみたら、実際いいんですよ。というのは、マスクを作るスピードも速いし、そのクォリティもいい。クォリティというのは、マスクのクォリティですが、それはそのまま映像のクォリティでもあります。そしてなによりクリエイターの意識がとぎれず、集中できるんですね。集中できるから、当然、作品のクォリティにも反映されます」(佐藤さん)。
なるほど、数百に及ぶマスク処理に、作業の効率を上げ、クリエイターの集中力を高めることにCintiq21UXは貢献しているのである。
佐藤さんが「グラフィックの経験や感覚を持つ人に映像制作をしても らいたい」と考えていることもあって、ライトニングでは、従来の映像 制作・編集の枠にとらわれないクリエイターが在籍している。モーションデザイナーの下山さんもその一人。3DCG制作、Photoshopによるレタッチ、AfterEffectsと何でもこなし、おもしろいのは、使うアプリケーションによって、ポインティングデバイスを変えていること。 3DCGや映像編集ではマウスを使い、Photoshopの作業ではIntuos3を使い、そしてAfter EffectsではCintiq21UXを使っているとのこと。
「After Effectsでモーショングラフィックスを作ったり、ビジュアルエフェクト処理をしたりするときは、Cintiq21UXですね。映像の場合は、コマを拡大して、マスク処理をしたりもするのですが、映像を直接処理できるCintiqは使いやすいですね。もし、Cintiq21UXを使わずにマスク処理をするとなったら、何日間もかかってしまい、ちょっと制作意欲を失ってしまうかもしれません(笑)」(下山さん)。
下山さんの作業環境は、Windows PCが2台に、Macintoshが1台。 Windowsでは主にCG制作や映像編集を行い、MacではAfterEffectsやPhotoshopを使う。奥に見えるのが「マスターモニタ」。
取材の間、デモンストレーションで下山さんは慣れた手つきで、マスク編集をしたり、アニメーション制作を行ってくれた。その間、 Cintiq21UXの角度を変えたり、液晶タブレットの画面を回転してずらしたりして、その作業は実に軽快。
「もうひとつ、After Effectsでは、ドラッグした軌跡とその速度を覚えてアニメーションにする機能があります。その機能を使うときは、画面上で直接操作できるCintiq21UXでないと、難しいんです。というのも、滑らかな曲線を描いたり、スピードに緩急をつけたりするのは、ペンタブレットでしかできないですし、特にCintiq21UXだと画面上で指定しますから、指定したアニメーションの位置がずれないんですね。サーッと描いて、その上をアニメーションがなぞっていく。手描きのアナログ的な表現もできるし、映像の品質も上がる。Cintiq21UXはバッチリです」(下山さん)。











